









ツァイガルニク効果
その日の失敗をいつまでも悔やんでしまったり、つい中断している作業のことを考えてしまうという経験はないでしょうか。
「ツァイガルニク効果」とは、達成したことはすぐ忘れるのに、達成できなかったことは忘れられない心理です。
ロシアの女性心理学者ブルーマ・ツァイガルニクの実験で、中断されたタスクは完了したタスクよりも90%も思い出されやすいことが分かっています。
今回はこの性質を利用して、勉強や仕事に取り掛かりやすくする方法を紹介します。
キリの悪いところで終わらせる
作業をスッキリと終わらせられた翌日に限って、調子が出ないということがあります。
- 机についてもなかなか勉強が始められない
- 創作活動の筆がなかなか進まない
- 朝から仕事のやる気がおきない
このような状態は、前日にキリの悪いところで切り上げておくことで防ぐことができます。
例) ・今日は「受動態」まで終わらせようと思っていたけれど、次の「仮定法」も見開き2ページだけやっておこう。 ・アイデアが煮詰まってきたので、今日の作業はここで中断しよう。 ・明日の会議に備えて、前回の議事録を確認してから帰ろう。
創造力や記憶力が回復するうえ、いい緊張感でスムーズに再開することができます。





シャットダウンリチュアル
「ツァイガルニク効果」の副作用として、なかなかリラックスできないというものがあります。
作業を中断したはいいものの、そのあともずっと作業のことを気にかけてしまうのでは休まりませんよね。
「シャットダウンリチュアル」は直訳すると“シャットダウンの儀式”という意味です。
アイデアに煮詰まった時や、作業がはかどらない時は儀式を決めておくことで、スイッチの切り替えができるようになります。
<シャットダウンリチュアルの例>
- 午前中に集中したら、なるべく夕方は作業しない
- 作業が終了したら翌日の予定を立てる
例)
1.今日は120pまで終わった
2.成果は受動態を覚えたこと
3.明日は10時に始める
4.次は仮定法から
5.14時までに140pまで進める - シャットダウン宣言
例)
「本日の営業は終了です」「今日はもう作業しません」と口に出す





いっそ気が済むまで考える
仕事のミスや失恋など、「こうすればよかった」「もっと頑張れた」といつまでも後悔してしまうことがあります。
そのような時はいっそ気が済むまで考えて、結論を出してしまいましょう。
人は嫌なことがあった時、それを考えないようすればするほど、かえって頭から離れなくなってしまいます。
このような心理を「カリギュラ効果」といいます。
悪い意味で「ツァイガルニク効果」との相乗効果を生み出してしまいますので、注意が必要です。




シングルタスクで集中する
マルチタスクを行うと、複数のタスクが未完了の状態で並行することになります。
こうなると「ツァイガルニク効果」によって、複数のタスクに常に気を取られてしまいます。
なかなか作業に集中できない時はマルチタスクに陥っていないか、悩み事などはないかを確認するようにしましょう。
シングルタスクの方法については、こちらの記事を参考にしてみてください。
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<参考図書>