









自己省察とは
「自己省察」とは、いわば「自分探し」のようなものです。
“自分がどういう人間で、何のために何を目指しているのか”を知るということになります。
そして自分の内面について知るということは、自分を客観的に見ることが出来ているということです。
自分の価値観や能力を正しく理解していれば、ちょっとやそっとのトラブルでくじけることはありません。
この「自己省察」を行うことで、大きな選択の軸になるだけでなく、大事な場面でも自信をもって一歩を踏み出すことができるでしょう。





セルフコンセプトクラリティ
「セルフコンセプトクラリティ」とは、自分のことを理解していて、自分自信に安心できている心のあり方です。
セント・ザビエル大学やライス大学の実験で、「セルフコンセプトクラリティ」が高い人ほど、人生の満足度やレジリエンスが高く、不安にも悩まされにくいということが分かっています。
例)仕事が計画通りに進まず、上司に怒られた。 確固たる価値観がない➞「自分はやっぱりダメだな…」 価値観が根付いている➞「今回はダメでも、自分はお客さんを喜ばせるために頑張るだけだ。これを糧に頑張ろう」
このように自分の価値観を理解しておくことで、心の防波堤のようにストレスから身を守ってくれるわけです。
価値観リスト
「価値観リスト」は、人生の価値観に選ばれやすい項目を80種類にまとめたものです。
「動機づけ面接」などの心理療法で、昔ながらに使われています。
このリストを通して、自分の価値観やパーソナリティへの理解が深まるはずです。
ステップ①〜3段階評価~
下記の80項目に、それぞれ3段階の評価をつけます。
とても重要:◎
重要:◯
重要ではない:✕
評価に迷ったものは、迷う程度には重要なので◯をつけましょう。
- 余暇:自分の時間をリラックスして楽しむ
- 寵愛:親しい人から愛される
- 愛慕:誰かに愛を与える
- 熟達:いつもの仕事/作業に習熟する
- 現在:今の瞬間に集中して生きる
- 勤勉:自分の仕事に熱心に取り組む
- 平安:自分の内面の平和を維持する
- 親密:プライベートな体験を他人と共有する
- 正義:全ての人を公平に扱う
- 知識:価値ある知識を学ぶ、または生み出す
- 献身:誰かに奉仕する
- 性愛:活動的で満足のいく性生活を送る
- 単純:シンプルでミニマルな暮らしをする
- 孤独:他人から離れて一人でいられる時間と空間を持つ
- 精神:精神的に成長し成熟する
- 調和:周囲の環境と調和しながら生きる
- 興奮:スリルと刺激に満ちた人生を送る
- 貞節:パートナーに嘘をつかずに誠実に生きる
- 名声:有名になって存在を認められる
- 家族:幸福で愛に満ちた家庭を作る
- 協調:他者と協力して何かをする
- 礼儀:他者に対して誠実で礼儀正しく接する
- 創造:新しく斬新なアイデアを生み出す
- 信頼:信用があって頼れる人間になる
- 義務:自分の義務と責任を果たす
- 安定:いつも一定して変化のない人生を送る
- 寛容:自分と違う存在を尊敬して受け入れる
- 伝統:過去から受け継がれてきたパターンを尊重する
- 適度:過剰を避けて程よいところを探す
- 単婚:唯一の愛し合える相手を見つける
- 反抗:権威やルールに疑問を持って挑む
- 配慮:他人を気づかって世話をする
- 開放:新たな体験、発想、選択肢に心を開く
- 受容:ありのままの自分を受け入れてもらう
- 正確:自分の意見や信念を正しく伝える
- 達成:なにか重要なことを達成する
- 冒険:新しくてワクワクする体験をする
- 魅力:身体的な魅力を保つ
- 体力:丈夫で強い身体を保つ
- 柔軟:新たな環境にも簡単に馴染む
- 許し:他人を許しながら生きる
- 友情:親密で助け合える友人を作る
- 愉楽:遊んで楽しむ
- 秩序:整理されて秩序のある人生を送る
- 情熱:なんらかの発想、活動、人々に深い感情を抱く
- 快楽:良い気分になる
- 人気:多くの人に好かれる
- 権力:他人をコントロールする
- 権威:他者に対して責任を持って指導する
- 自治:人任せにしないで自分で決める
- 美的:身のまわりの美しいものを味わう
- 庇護:他者のめんどうをみる
- 挑戦:難しい仕事や問題に取り組む
- 目的:人生の意味や方向性を定める
- 合理:理性と論理に従う
- 現実:現実的、実践的に振舞う
- 責任:責任を持って行動する
- 危険:リスクを取ってチャンスを手に入れる
- 寛大:自分の物を他人に与える
- 真実:自分が正しいと思うとおりに行動する
- 信教:自分を超えた存在の意思を考える
- 成長:変化と成長を維持する
- 健康:健やかで体調よく生きる
- 変化:変化にとんだバラエティ豊かな人生を送る
- 快適:喜びに満ちた快適な人生を送る
- 誓約:絶対に破れない約束や誓いを結ぶ
- 慈愛:他者を心配して助ける
- 貢献:世界の役に立つことをする
- 有益:他者の役に立つことをする
- 正直:嘘をつかずに正直に生きる
- 希望:ポジティブで楽観的に生きる
- 謙遜:地味で控えめに生きる
- 笑い:人生や世界のユーモラスな側面を見る
- 孤立:他者に依存しないで生きる
- 恋愛:興奮して燃えるような恋をする
- 安心:安心感を得る
- 受諾:ありのままの自分を受け入れる
- 自制:自分の行動をコントロールする
- 自尊:自分に自信を持つ
- 自知:自分について深い理解を持つ




ステップ②~トップ10を選ぶ~
◎をつけた項目の中から、特に重要だと思うものを10個に絞りましょう。
◎が10個に満たなければ、そのままの数で大丈夫です。
ステップ③~ランク付けする~
②で選んだトップ10の価値観を、重要度が高い順にランク付けしましょう。
なぜこのようなランク付けをするかというと、人生の中でどちらの価値観を優先すべきか迷ったとき、重要度が高いものを選ぶことができるようするためです。
ステップ④~価値観を掘り下げる~
ランク付けした価値観に、下記の質問をぶつけてみましょう。
- その価値観には、自分にとってどのような意味がありますか?
- その価値観が、自分にとって重要な理由は何ですか?
自分と向き合うことは大変な作業です。
ここまでで疲れてしまったという方は、一旦ベスト3のみにこの作業を行いましょう。
ステップ⑤~よく目にする場所に貼り付ける~
「価値観リスト」が出来上がったら、自室の壁やスマホの壁紙、デスクの上などに貼り付けておきましょう。
ちょっとした時に「価値観リスト」を眺めては定期的に見直すことで、現状と価値観を照らし合わせる癖がつくはずです。
ステップ⑥~ルールではなくコンパスに~
価値観は常に変化するものです。
今回明らかにしたものは「絶対にこうだ!」という不動の真理ではなく、ざっくりとした指針程度にとらえておきましょう。
あまりに「価値観リスト」に縛られてしまうと、それ自体がストレスとなって自分を苦しめる原因となってしまいます。
選んだ価値観に違和感があったり、リストの存在が息苦しく感じたら、改めてトップ10を選び直すところからやり直してみてください。






<参考図書>