










MACの原則
「MACの原則」は、2011年にアイントホーフェン工科大学のメタ分析で明らかになったテクニックです。
達成されやすい計画の共通条件を明らかにしたもので、その頭文字をとって名付けられました。
- Measurable(測定可能性)
- Actionable(実行可能性)
- Competent(適格性)
「MACの原則」を一言でいうならば、“目標の計画化”です。
目標を目標のままにせず、目標のために何をするのかという計画に変換することで、実行性を高めていきます。
逆に、計画化されていない目標の達成率はわずか10%しかないと言われています。
せっかく見つけた「やりたいこと」を無駄にしないためにも、しっかりと準備を行いましょう。
今回は、この「MACの原則」に基づいた行動計画を行っていきます。
既に立てている計画があるという場合は、この3要素を満たしているかを見比べてみてください。
Measurable(測定可能性)
まず最初にやるべきことはこの2つです。
- 目標を定量化する
- 期限を設ける
例)運動習慣をつけたい ◯ 週4回のランニングを60日間継続する ✕ ランニングを習慣化する 例2)禁酒する ◯ 30日間、アルコールを1滴も摂取しない ✕ 飲酒をやめる
上記の悪い例では、何をもって習慣化とみなすかが明確になっていません。
いつまで・何を・どのくらいやるのかを明示することで、曖昧な目標を明確にすることができます。





Actionable(実行可能性)
次にやるべきことは、“実行可能な計画“にすることです。
当たり前の話ではありますが、継続できないことを目標に掲げても上手くいきません。
先ほど“Measurable(測定可能)”にした計画が自分にとって、本当に実行可能かを見極めましょう。
例)禁煙する(今は毎日1箱吸っている) ◯ まずは2週間、いつも煙草を吸う時間帯にガムを食べる。 ✕ 1ヶ月間、1本もタバコを吸わない。 例)歌手として有名になる ◯ ボイトレに通いながら、“歌ってみた”を毎月上げ、3ヶ月に1回はオーディションに応募する。 ✕ 半年後にMステに出る
上記の悪い例をこなせる人も中にはいるでしょうが、一段飛ばしであることには違いありません。
また“半年後にMステに出る”という目標も、そのために何をやるのかが曖昧で、実行可能性が分かりません。
可能なかぎりアクションを具体的にして、実行可能性を判断しましょう。


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Competent(適格性)
ここで言う「適格性」の基準は“価値観に合っているかどうか”です。
価値観に合っていない計画は、下記の理由で継続することができません。
- 達成しても虚しい(意義を見いだせない)
- ストレスや障害を乗り越えられない
価値観に合っていないものは無理に続けない方がいいでしょう。
好きなことが嫌いになってしまったり、得意だったはずのことに自信をなくしてしまう原因となります。
逆に価値観さえ合っていれば、弱点を克服したり、嫌いなものを好きになる努力が可能になります。
目標をこれから決めるという方は、価値観に合っていることを前提に“好き×得意”なことを探してみましょう。
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